今月発売された「チルチンびと別冊45 東海で建てる美しい住宅」に、アースデザインオフィスで設計した住宅が掲載されました。
季刊「チルチンびと」を愛読されている方も多いと思いますが、別冊を手にしたことはあるでしょうか?
別冊では建築家の作品集や、OMソーラー特集などの他、地域ごとの住宅を集めた「地域版」が数多く発行されています。中でも東海地域で販売される「東海版」はよく売れるらしく、他の地域版が継続を見合わせる中で毎年コンスタントに発行されていますが、残念ながら東京や神奈川では目にすることができません。
以前に「住まいの教室」の内容を紹介する中で、そのスタディコーナーの写真をお見せしましたが、掲載されたのは岐阜県本巣市に本社を構える、白木建設のモデルハウスです。
木材店として創業した白木建設は、住宅だけでなく社寺建築も手掛ける工務店で、大手ゼネコンが京都で請け負う社寺の現場では、下請けで木工事を任せられるほどの技術力があります。
同社とは、私が連合設計社市谷建築事務所にいた時に2つの住宅を施工していただいたご縁があり、神奈川エコハウスに入社してからも、難易度の高い案件があると、何度か設計を依頼してくださいました(笑)
今回の設計依頼の経緯について白木社長のコメントを抜粋しますと、「私は以前から木造建築の第一人者である吉田桂二先生の作風に惹かれていました。岸さんは吉田先生に師事した建築家。当社とのお付き合いも長く、今回もこの方しかいない、と」言っています(笑)
それに続く流れで私は、「木は隠すのではなく見せられるところはきれいに見せる。これは、吉田が大切にしてきた設計手法の一つです。デザインをおろそかにするつもりはありませんが、ある意味で誰が設計してもこうなる、という普遍的なデザインを意識しています」と語っております・・・
和室とリビングからダイニング・キッチンへと空間が斜めに連続しています。和室の段差や凹凸のある平面で居場所をつくりながら、対角線の広がりによって狭さを感じさせないように考えました。
これまで同社では真壁の家を造っていましたが、今回のモデルハウスは外周大壁としました。それは充填断熱で断熱性能を高めようとしたこと、木ズリ下地で土壁塗り漆喰仕上げにしたための選択です。
こう考えると、真壁にして木を見せるためには外張り断熱が最適な組み合わせなのかな、と改めて考えたりもしました。
さて、秋にはチルチンびと別冊「神奈川版」が発行されます。これには当社の住宅も掲載されますので、ぜひ書店でご覧ください。否、お買い求めください(笑)
岸 未希亜