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コラム

先日お伝えした静岡県のサン住宅モデルハウスに続き、
現在、神奈川エコハウスの施工エリアを外れた遠方のお客様とも住宅の計画を進めています。

場所は長野県で1棟、岐阜県で2棟です。
これらの計画は設計監理あるいは設計のみの仕事になるので、
関連法人の一級建築士事務所アースデザインオフィスで受注しています。


長野の案件の建設地は千曲市になります。

2003年に3市町が合併して誕生した千曲市は、北国街道と北国西往還(中山道・洗馬宿から松本を経て善光寺へ至る街道)の結節点である稲荷山宿があり、現在も高速道路の上信越自動車道と長野自動車道が交差する更埴JCTがある交通の要衝です。

全国的にも知られた名所として、戸倉上山田温泉や姨捨山があります。
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計画はまず、農地である広い敷地を南北に分けて北半分を宅地に転用します。

工務店のお客様である4人家族のために、2階のスタディコーナーとリビングが緩やかにつながる
大らかな空間の住宅を設計しました。
将来は仏壇を置くための和室、雪が降っても安心な建物と一体の車庫など、地域ならではの条件に則した設計も組み入れ、使いやすいキッチンや収納の確保など、もちろん生活を考えての提案も忘れません。
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工務店からは、

施主の要望をしっかり叶えながらも
面積を抑えることによって、
建設費を増やさないことが求められました。


岐阜の案件その1の建設地は本巣市になります。

2004年に4町村が合併して誕生した本巣市は、岐阜県の西部に位置し、
市の北部は福井県大野市に接する豪雪地帯ですが、中南部は気候的にも穏やかです。
そして雑誌『東洋経済』が公表する「住みよさランキング」2009年版で
全国1位になるほどの「住みよい」地域だそうです。

このランキングは、「安心度、利便度、快適度、富裕度、住居水準充実度」の5つの観点・14指標から算出した偏差値によるもので、本巣市は岐阜市に隣接するベッドタウンであり、人口当たり大型小売店舗面積や65歳以上人口当たりの介護老人施設数等が高水準にあるとの高評価を得ています。
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この計画は、4世代が一つ屋根の下に暮らす2世帯住宅で、
施主本人が工務店の社員という点が面白いところです。
ご本人も設計ができる人なのですが、2世帯住宅なので肉親と意見が衝突してなかなか思うように行かないことや、本人も納得できる家をつくるため、敢えて建築家に設計を依頼することになりました。
私の前に2人の著名な建築家ともコンタクトを取ったそうですが、
最終的には私に設計を依頼してくださいました。

敷地からは山が近く、所有する果樹園に囲まれた自然豊かな環境です。
祖母を含めた7人家族が暮らす大所帯でありながら、
キッチンや浴室など全てを共有する「田舎らしい」2世帯住宅になっています。
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温熱環境を高めるための
実験的な試みを施しながら、

木造の木組みをしっかり見せる
和の住宅となる予定です。


岐阜の案件その2の建設地は多治見市になります。

多治見市は岐阜県南部に位置し、隣接する土岐市らと並んで美濃焼の産地として知られています。
桃山時代にそれまでになかった自由な発想の陶器として登場した美濃焼ですが、江戸末期に磁器の生産も始まると、国内陶磁器シェアの50%以上を占める大窯業地となりました。

また「日本一暑い町」として観光誘致をするほど、お天気ニュースにもよく登場する多治見市は、
2007年に埼玉県の熊谷市と並んで観測史上最高の40.9℃を記録しています。
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ここでは工務店の後継者であるご家族のお住まいを、
住みながら見ていただくモデルハウスにする計画です。

家族は現在4人ですが、夫婦+子供3人となっても大丈夫な個室の用意と、
40坪以上の住宅が多いという土地柄を考慮して、少しゆとりのある42坪の住宅として設計しました。

玄関から入って奥へ進んでいく時に見える景色(シークエンス)を考えて、
室内での広がりや内と外との連続性を意識させる空間を提案しています。
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当社やサン住宅のモデルハウスのような
「和モダン」の意匠を身にまとい、

それ以上に魅力のある建物にすること
を求められました。


私が知るところでは、
「地域工務店」の中には自然素材を多用した木造住宅を建てている所が多く、
大手ハウスメーカーや新建材の家づくりとは一線を画しています。

そんな魅力ある家を提供している工務店であっても、
魅力ある設計提案をするのは簡単なことではありません。

それは設計しているのが工務店の社長だったり、主に営業をしている人だったり、
住宅設計の専門家ではないことが多いからです。

彼らも住宅についての知識や経験は豊富に違いありませんが、
その事とプランニングが上手なことは必ずしも同じではありません。

特に地方では、敷地にゆとりがあって計画規模も大きいことが多いので、
プランニングの難易度は小さな家に比べて確実に上がるのですから。


こうしたことから、「地域工務店」の設計への取り組みは幾つかのスタイルに分かれています。

社長や営業が設計する以外で最も多いのは、
工務店が身近な設計事務所と組んで設計を外注することだと思います。
この場合、設計事務所が「下請け」としてプランをまとめ、
確認申請までをセットで行うケースが多いようです。

もう少し設計に力を入れている工務店は、
設計事務所を「下請け」ではなく「パートナー」として捉えています。
提案力、デザイン力のある設計事務所の力を借りてスムーズに契約を結ぶことを狙っていますが、
必然的に設計料は高めになります。

一方で社内の設計スタッフを充実させ、自社の設計力を高めている工務店もあります。
神奈川エコハウスもこのカテゴリーに入ります。

このスタイルだと設計と施工の連携が密なため、
施主の要望や設計の意図が現場に確実に伝わることが長所です。
ただし、「パートナー」を交換するようにはいかないので、
設計の力を研鑽し続けることが求められます。


これまでアースデザインオフィスで設計を行った4つの住宅と現在進行中の3物件、
計7件のうち6件は「パートナー」型に当たる工務店とのコラボレーションです。

設計の難しい案件や、設計費がかかってもいいプランを望まれているお客様がいる場合に、
現地へ赴いて敷地を確認し、お客様の要望をお聞きしてプランの提案をしています。
そして実施図面を描くところまでの業務をして工務店に引き継ぎますが、
現場が始まってからも質疑対応をしながら、完成まで見守っていくというスタイルです。


このコラボレーションは神奈川エコハウスとの間でも成立します。

神奈川エコハウスで設計する場合と異なるのは、設計にかける時間と手間
を増やして、施主の要望や設計の意図がより細かく伝わるようにする点です。

また、当社お薦めの標準仕様には捉われず、使ってみたい素材を
積極的に試していくこともあります。
設計費が少し高くなることや、結果的に工事費も上昇する傾向にはありますが、
建築家提案による納得のいく家づくりをお考えの方には、
一考の余地があると思います。


次回は、その第一作である「藤沢の家」についてお伝えします。

岸 未希亜