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2017.07.06 / 建築と住まいの話

福井からの賓客

ちょうど1年前、エアサイクルの全国大会で福井に行った際に、当社と縁の深い「住まい工房」を訪問した話をブログに書きました。住まい工房については、当時の記事をご覧ください。
その住まい工房で設計チーフをされている山祐三さんが、私用で横浜に来られるということで、当社が建てた住宅を幾つか案内することになりました。平日ということ、半日で回らなければならないこと、設計のプロが見ること等から対象を絞り、隙のないぎゅうぎゅう詰めのスケジュールを用意しました(笑)

一軒目に訪問したのは、昨年末に完成した大磯の住宅です。私がエコハウスで設計した住宅としては59棟目にあたり、最近の事例として見てもらうのにちょうど良いお住まいです。先日、写真家と一緒に撮影でお邪魔したばかりでしたし、ご主人はお仕事中、お子様は通学と通園中なので、奥様にはご迷惑かと思いましたが、キラキラした笑顔で迎えていただきました。

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敷地は、角地で通りからのアイストップになるため、非常に目につく場所です。建物だけではなく、外構・庭を含めた敷地全体を「見られること」「周辺環境に馴染ませること」を意識して計画し、潤いのある優しい「場所」をつくることができました。ウッドデッキが広くかつ三段に分かれて下りていくため、庭との一体感が非常に強くなっています。また、庭から上がりやすいので、近所の子供たちが外からデッキに上がって来て「たまり場」にもなっているそうです。山さんからも、建物の色使い、建物と庭との関係を褒めていただきました。

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室内に入ると、玄関収納や建具、真壁と大壁の使い分け、眺めと風通しを考えた窓の位置、階段の位置とその周りの空間等、プロ目線で色々なコメントを頂戴しました。山さんが奥様に「この階段は何気なく出来ているけど、階段の設計は難しいんですよ」というような事を言われ、奥様も興味深く聞いていました。
この大磯の家は、「庭が近づく三段デッキの家」としてホームページの事例紹介に加わります。

次に行く前に、事前にご主人に教えていただいた大磯の「日日食堂」で昼食です。木造トラスの古い建物をリノベーションした雰囲気のある食堂で、野菜中心のヘルシーなランチをいただきました。

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二軒目は、約7年前に完成した平塚の住宅です。私がエコハウスで設計した1棟目の住宅で、住まいの教室等で何度も紹介していますし、何組ものお客様を連れてお伺いしているお住まいです。幼稚園のバスまでお孫さんを迎えに行くタイミングと重なってしまいましたが、ご夫婦の連携でいつもながらの温かいおもてなしを受けました。

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この家は「ステップフロアダイニングの家」と称して、ダイニングを一段高くしてあるのですが、そこは山さんにも珍しかったらしく、関心を寄せて見ておられました。キッチンと目線が揃うのはもちろん、ダイニングの勾配天井が低くなっていて居心地が良い、段差がとても利いているとの講評でした。また、天井には化粧垂木が並んでいるのですが、その垂木と漆喰壁の取り合いが全く空いていないことに驚かれていました。今まであまり注意して見ていなかった私も、改めて見て自分でも驚いたぐらいです。

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LDKのどこにいても窓から庭の緑が目に入り、住宅地とは思えない豊かな自然を感じられるのも、この家の良い所です。造り付けのソファーベンチに腰を下ろし、私も山さんもすっかり寛いでしまいました。福井からのお客様ということで、福井の話題を用意されていた奥様の心遣いにも感謝です。

三軒目は私の自宅です。久しぶりに人に見せるので、前日に自分も多少片付けをし、妻がさらに家を綺麗にしてくれました(笑)。3棟ともエアサイクルの家ですが、自宅だけは当社の標準的な仕様にとらわれずに仕上げ等を選んだので、外観も室内もかなり雰囲気が異なります。エコハウスの上品な雰囲気とは違った「遊び」の要素が多く、山さんもそれをいち早く感じて「意外やったねえ」という感想をもらしました。

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最後にコンセプトハウスにお連れして、弊社社長も加わっての意見交換をすると、時計は午後6時を指していました。大磯駅改札口でお迎えしてからあっという間の6時間でしたが、非常に有意義な時間を過ごすことが出来ました。
山さんと私は同じ職場で働いた訳ではありませんが、吉田桂二という同じ師匠の薫陶を受け、私以上にその教えを実践されている良き先輩ですので、これからも刺激し合いながら良い仕事を続けていきたい、と改めて思いました。

岸 未希亜

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