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2017.02.16 / 建築と住まいの話

藤沢K邸 完成見学会の見どころ

今週末に見学会を開催する「藤沢市K邸」の見どころを紹介します。今回は小田原の家と同様に、建て主の紹介だけでも伝えたいことが多いため、建物の解説はいつもより少なめです(笑)

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建て主のKさんが最初に資料請求をしてくださったのは、約2年前の2015年3月でした。直後の4月と6月に「住まいの教室」に参加され、徐々に完成見学会への参加も増えていきましたが、「3年以内に新築」ということで、当時は多くの建築会社を見て回っている時期だったようです。
そして、○○工務店や○○工房といった、いい木造住宅をつくる会社との熾烈な競争の末、最終的には当社が選ばれました。「熾烈な競争」というのは冗談ですが、あちらの良い所とこちらの良い所があり、比較をすればするほど、単純には決められないものだと思います。
Kさんの話によれば、製材所のツアーで丸太から家になるまでのプロセスが分かったり、構造見学会の時、現場を毎日ご覧になっていた建て主から、職人さんの丁寧な仕事ぶりを聞いたのも良かったようです。また「岸さんの家まで見学させて頂いたら、神奈川エコハウスにお願いするしかないですね」というのが本音だとしたら、してやったりですね(笑)

じっくりと比較検討をして建築会社を決められたKさんには、他社の良い所も教えていただいた上で、当社のセールスポイントを挙げていただき、そのお陰で「会社の強み」を社内で共有することができました。

また、Kさんが作成した「家づくりプロジェクト計画書」は、A4用紙7枚にまとめられた見事な要望書でした。要望の数は確かに多い(約80項目)のですが、優先事項が決まっていることや、写真でイメージが掴みやすくなっていて、読んでいて楽しくなる要望書です。最優先事項は、1.冬暖かく、夏涼しい家 2.注文住宅らしい遊び心のある家 3.フローリングは分厚い杉の無垢板 4.家事動線を最大に考慮した間取り 5.収納がたっぷりある家 の5点です。
何度もお会いして十分にコミュニケーションが図れていたこともあり、限られた空間の中にほとんど全ての要望を盛り込みながら、芯の通ったデザインになったと思います。

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敷地は、最寄り駅から徒歩圏という利便性の高い場所ですが、大通りから一つ中に入っているため、意外なほど静かな住宅地です。祖父母が住んでいたという平屋の家を壊し、ご両親が暮らす家の隣に子世帯単体の住まいを計画しました。

敷地が狭いので、必然的に建物は「総2階」になりました。1階にご主人の工作室をつくることになり、洗面室・浴室を2階に上げている点が特徴です。敷地の南側は、奥の敷地の旗竿部分があるので、建物から「隣地」まで6m弱は離れていますが、現在は空地である「隣地」に大きな建物が建つ可能性もあるので、小さいながらも南側中央に吹抜けを設け、日照・採光の確保を図りました。

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1階は玄関、トイレ・洗面、工作室の他に、玄関収納とパントリーを設けて十分な収納を確保。LDは建物の凹凸や丸柱によってほど良くエリアが分かれ、吹抜けによって立体的な広がりも感じられます。キッチンは対面式ではなく、LDとの一体感がありながら、独立性も感じられる絶妙な造りになっています。LDKに並ぶテレビ台、書斎コーナー、食器棚、洗面台等の造り付け家具も、細かな要望を反映した造りになっており、使い勝手とデザインを両立しました。

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「道路側にある桜の古木を残したい」というご両親の希望を受け、桜を除ける形で建物を計画。さらに外観デザインにも気を配りました。「バルコニーは家と一体になっているデザインに」という要望には、外壁を凹ませてバルコニーを屋根の下に収めました。準防火地域なので一部シャッターサッシを使うことになり、シャッターを隠す工夫を加え、道路面については、窓を中央に集めて竪格子で全体を覆っています。
室内では、ダイニングにlouis poulsenの照明「Toldbod」、リビングにはカンディハウスの3人掛けソファ「NISORU」と1人掛けチェア「KAMUY LUX」を入れているのも見どころです。

この家のタイトルを考えた時、幾つもの候補が浮かんだのですが、「こだわりぬいた総2階の家」がしっくり来ると思います。

岸 未希亜

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