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2016.08.12 / 建築と住まいの話

雑誌掲載のお知らせ

今年も「和風住宅」に、当社で建築した住宅が掲載されました。

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奇遇なことに今号の特集は、真田家の歴史を今日に伝える貴重な御殿建築の「真田邸」です。私が先日のブログで紹介した、真田氏の城下町「松代」に残る建物ですので、興味のある方は、この記事も併せてお読みください。

さて、掲載されたのは、今年の2月に完成見学会を行った住宅です。まだ記憶に新しいので、覚えている方も多いのではないでしょうか。

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西側に裏山が迫り、東側に川沿いの田園風景が広がる長閑な場所に、森を背にひっそりと建っていた築100年の古民家の建て替えでした。古民家は相当に傷んでおり、冬は外気温と同じくらい寒く、田園に開く形で東向きに建っていたため、日中も薄暗いことが問題でした。それらの問題を解消することはもちろん、これまで通り、周囲の風景に溶け込むような住宅が求められての計画でした。

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「この家以外に住んだことがない」という建て主の言葉を受け、また建て主の年齢を考えても、今さら2階建てにする必然性はなく、当然ながら建て替える家も平屋になりました。
風通しを阻害する「中廊下」は無くしましたが、ダイニングとキッチンを一つにしてリビングは別にする等、できるだけ旧家の面影を残すことで、ご夫婦の身体に馴染む間取りにしています。

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また、旧家で使われていた7寸角の大黒柱や、大阪格子戸(障子を取り外しできる格子戸)を再利用した他、室内から眺める景色についても、旧家の記憶を新しい暮らしの中に継承しました。
この住宅は「旧家の記憶を留める平屋の家」として、近日中にホームページの「事例紹介」に加わります。お楽しみに。

岸 未希亜

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