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2015.05.16 / よもやま話

窓際で写真を撮る

今月初め、GW最終日の5月6日に、写真家を講師に招いて「くらしを楽しむカメラワークショップ」を開催しましたが、カメラ・写真が好きな私も、ワークショップに参加しました。タイトルは「窓際フォト」ワークショップです。
講師を務めたのは、あおぞら写真事務所を主宰する写真家の竹之内健一さん。現在は藤沢を拠点に、撮影の仕事だけでなくワークショップも数多く手掛けられているため、教え方もとても上手でした。

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先生の話によれば、「窓際は食べ物を美味しそうに撮るには最適な場所」で、「ポートレートや物撮りでも印象的な写真が撮りやすい」のだそうです。

一般的には、被写体に正面から光が当たる「順光」で写真を撮ることが多いと思いますが、これだと被写体に立体感が出ないので、印象的な写真にはなりません。また、暗い時はフラッシュを使って明るくしますが、これも正面から光を当てるので、べたっとした写真になることは皆さんも経験済みだと思います。
そんな訳で、この日のテーマは「光の当て方」でした。

先ず料理ですが、料理の基本は「奥からの光」だそうです。つまり逆光です。こうすると、光と影が強調されるので、素材感がリアルに感じられます。私が撮ったクロワッサンもこうなります。

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奥の方にピントが合ってしまい、50点ぐらいでしょうか。それに対して先生のクロワッサンは全然違います。実に美味しそう!

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手前が暗くなり過ぎる時は、白い紙を折ってレフ板の代わりにすれば、暗さが解消されることを教えてもらいました。次回、ブログで料理を扱う時は、食べる前に10分以上かけてしまいそうです(笑)

次に花や物などを撮る時ですが、これは「横からの光」が基本だそうです。窓際に撮りたい物を置けば、光は窓の外から入って来ますので、それを横から撮るとこうなります。

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直射日光が当たると影が強くなり過ぎるので、直射日光の当たらない窓際がベストです。また、照明を当てると本来の色が出ないので、自然光で撮影するのがお勧めだそうです。

カメラの機能面では、「焦点距離」と「絞り」に気を付けます。
「焦点距離」とは、レンズと映像素子(光をデジタルに変換するセンサー:人間の目でいう網膜)との距離のことですが、食べ物や商品を撮る時は50mm以上が望ましいとのこと。景色など広い範囲の写真を撮る時や、至近距離で全体を写したい場合は、広角レンズやズームレンズの広角側(数字の小さい方)を使いますが、どうしても被写体が歪んでしまうそうです。

「絞り」は、明るいところでは瞳孔が小さくなり、暗いところでは瞳孔が大きくなる目と同じ構造で、光の量を調節する機能ですが、同時にピントにも影響を与えます。「絞る=瞳孔が小さくなる」と、手前から奥まで長い距離のピントが合い、「開放する=瞳孔が大きくなる」と、ピントの合う場所が狭い範囲に限られます。

一般的なスナップ写真であれば、全体のピントが合う方が失敗なく撮れますが、背景に邪魔なものが入り込む場合や、撮りたいもの(部分)を強調したい場合は、わざと「絞り」を開放して背景をぼかします。そうすると、このような効果的な写真が撮れます。

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この「絞り」はカメラの基本知識ですが、「オート」で撮影していると全く意識することがありません。「絞り優先」モードにして、レンズのF値を小さくすることが必要です。F値を小さくするには、さらにレンズの選択も重要になりますが、ここから先はマニアックな話になるので割愛します。

否、一つだけ言わせてください(笑)
皆さんが使っているズームレンズよりも、焦点距離が一つしかない単焦点レンズの方が開放F値が小さく「ボケ味」が出せます。例えば50mm f/1.4は、人物のポートレートを撮影するにはうってつけのレンズですが、そのレンズを使った竹之内先生の写真がこちらです。

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時間をかけずにさっと撮っただけですが、とても印象に残る写真ですね。

いい写真を撮るコツを伝授してもらい、本当にタメになるワークショップでしたが、撮影後は写真の講評をしていただくとともに、先生が参加者を撮影して、写真をプレゼントしてくれました。

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ブログも今後は、風景だけでなく料理や人物の写真が増えるかもしれません(笑)

岸 未希亜

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